初心者コースの3回目となる今回は、エコたわしを編みます!
小さい作品ではありますが、かぎ針編みを習得する上でとっても役立つポイントを盛り込みましたので、ぜひチャレンジしてみてください。
そのポイントとは次の2つ!
1つ目は、こま編みの輪編みの最初の目(立ち上がりの目)の見方が分かるようになること。
2つ目は、くさりの作り目から目を拾って編むとき、「くさりの向こう側1目と裏山」をすくって編む方法が分かるようになること。
特に1つ目は、かぎ針編みをやっていれば必ず通る道、と言えるくらい重要なポイントになります。
これが分かるようになれば、かぎ針編み作品に頻出の「こま編みの輪の作り目」も、すんなりできるようになるはず!
そんなネクストステップも視野に入れて、編んでもらいたい作品です。
Index -目次-
まずは、道具と毛糸を用意しましょう
用意するものは?
今回の作品を編むにあたって、用意するものはこちら。
・極太アクリル毛糸 25gくらい(ループの色を変える場合、別色の毛糸少量も用意)
・10号かぎ針
・とじ針
・ハサミ
エコたわし(アクリルたわし)を編むので、毛糸はアクリル毛糸を使用します。
私は手元にあった残り糸を使いました。
100円ショップなどにもプチプラのアクリル毛糸が置かれていると思いますので、手に入れやすい毛糸を用意してみてください。
注意点としては、アクリル毛糸も太さがいろいろあるので、極太程度の太めの糸を選ぶようにしてください。糸の太さについての詳細は後述します。
使用糸は細くても編めますが、サイズが小さくなってしまうのと、やっぱり太糸のほうが編みやすいので。
今回は10号かぎ針を使用しています。
これまでの第1回、第2回は7号を使用していましたが、それよりも太い毛糸向けのかぎ針になります。
糸の太さや、編む方の手のきつさ・ゆるさによっては、かぎ針の号数は9号がよかったり、7mmがよかったりすることもありますので、編みやすければOKというくらいに、柔軟に考えていただければと思います。
どんなかぎ針がおすすめ?
今回使用する糸は極太なので、適合する号数のかぎ針としては、グリップ付きのものや、プラスチック・木など軽めの素材でできたものが多いかと思います。
太糸用のかぎ針もあると便利なので、最初はプチプラのかぎ針で試して、ゆくゆくはご自身が使いやすい1本を探してみてもいいですね。
どんな太さの糸がおすすめ?
アクリル毛糸は、比較的太目のものが多いですが、中には細めの糸もあるので、毛糸の帯の記載を確かめてみてください。
毛糸にもよりますが、「極太」「並太」などと記載されている場合があります。
それが記載されていない場合は、帯にある「参考使用針」「おすすめ使用針」といった項目を探してみてください。
これが8~10号くらいのかぎ針になっていると、極太に近い太さかなと想像されます。
手芸店によく並んでいる有名な毛糸としては、「ハマナカ ボニー」という糸が、極太のアクリル毛糸です。
お店で実物を手に取ることもできるかと思いますので、ご参考になさってください。
どんな素材の糸がおすすめ?
今回はエコたわし(アクリルたわし)ということで、アクリル100%の糸がおすすめです。
素材は、必ず毛糸の帯に記載されていますので、アクリルかどうかチェックしてみてくださいね。
同じアクリル素材でも、毛糸によって手触りや硬さが違うので、実際に触って選んでみるのも楽しいです。
撚りがしっかりしている糸が、糸割れしにくくて編みやすいですよ。
どんな色の糸がおすすめ?
明るめの色のほうが編み目が見やすくておすすめですが、目を見るのもそろそろ慣れてきたよという方は、ぜひお好みのお色で編んでみてください。
エコたわし本体とループを違う色で編む場合、色の組み合わせを考えるのも楽しいですね。
作品と作り方を見てみましょう
第3回目にエコたわしを選んだのはなぜ?
冒頭にも書いたように、今回はかぎ針編みのステップアップを視野に入れて、大切なポイントの含まれた作品にしたいと考えていました。
というのも、そろそろ「こま編みの輪の作り目」につながるような事前準備ができたらいいなと思ったからです。
こま編みの輪の作り目といえば、かぎ針編みの王道?!というくらい、いろいろな作品に使われていますね。
輪の作り目はもちろんのこと、こま編みの輪編みがスムーズにできるようになるためには、こま編みの「立ち上がりの目」の見方が分かるようになることが大事です。
なので、今回はこま編みの立ち上がりの目を確認できる作品を選び、そのポイントは動画でも詳しく説明しています。
このような経緯でチョイスしたエコたわし。
短時間で編めて、実際に使えて、プレゼントにもできる、そして編み目が見やすい太糸作品となっています。
作品のサイズはどれくらい?
私が編んだエコたわしは、縦10cm、横12cmくらい。
模様編み1模様の高さが1.5cmほどです。糸の使用量は約25g。
毛糸によっては、1玉でいくつか編めるかもしれません。
エコたわしはどう編むの?
今回作るのは「輪編み」のエコたわしです。
袋状になっていて、手を入れて使うことができる形です。
くさりで作り目をして、目数の増減なく、ぐるぐると側面を編んでいき、10cmくらいの高さまで編んだら、編み終わり側の口をとじる、というステップになります。
本体は、作り目以外、すべて「こま編み」の操作で編みます。
袋の口をとじるのもこま編みで、この「こま編みはぎ」が終わったら糸を切り、糸処理をして本体を完成させます。
ループはくさり編みで作ります。
・模様編みは難しくないですか?
作品のパッと見では、どうやって編んでいるんだろう、と思われるかもしれませんが、編み方は簡単です。
模様編みといっても、編むときの操作感は「こま編み」です。
針を入れる場所がちょっと違うだけなので、動画を見ていただくのが一番!
まずは動画を見ながらトライしてみましょう!
編み図はどう見るの?
▶ 編み図のPDFファイルもご用意しています!
今回の編み図はこちらです。
編み図だけ見ると複雑そうに感じてしまうかもしれませんが、実際の編み方はシンプルです。
今回は、ゼッタイに編み図を見て編む!というこだわりがなければ、編み図の解釈は後回しにして、先に動画を見てみてください。
その後に編み図を見直していただくと、そういうことかー!と、スムーズにご理解いただけるのではないかと思います。
では、以下に編み図のご説明もしておきますね。
・編み図記号の意味は?
上の編み図に登場する記号は、次の3種類です。
くさり編み
引き抜き編み
こま編み
各段に入っている数字は、そこが何段目かを表し、矢印は編み進めていく方向を表しています。
引き抜き編みの記号が、毎段の編み終わりにつけられています。
これは、段の最後の目を編み終えたら、その段の最初の目に針を入れて引き抜き編みをする、ということを表しています。
今回は、編み図の左右に「わ」と記載されています。
編み図の左の端と右の端は、実際はつながっていて輪になっているという意味です。
編み図では平面的に表されますが、編み地は筒状に編んでいくことになります。
・作り目のしかたについて
編み図の一番下に並んでいる白抜きの楕円が、作り目のくさりを表しています。
中央に黒い楕円の引き抜き編み記号があり、これは、くさりの最初と最後を引き抜き編みでつなげて、作り目のくさりを輪にしている、という意味です。
なので、作り目のしかたとしては、くさり24目を編んだら、最初のくさり目に針を入れて引き抜き編みをする、という編み方になります。
・側面の編み方
側面は、目数の増減なく、どの段も1周で24目編みます。
1段目は、作り目のくさりの向こう側1本と裏山をすくって、こま編み24目を編みます。
くさりから目を拾って編む際は、今回のようにくさりの向こう側1本と裏山をすくうこともあれば、裏山の1本だけをすくう場合もあり、レシピによっては、どのように拾うか説明されていることもあります。
今回用いた、くさりの向こう側1本と裏山をすくって編む、という方法は、編みやすいため登場頻度も高く、覚えておくと後々役に立つと思います。
2段目も、すべてこま編みで1周します。
3段目から模様編みをします。
模様編みは、普通のこま編みを1目編んだら、次のこま編みは前段の目の根元に針を入れて編みます。
これを1目おきに交互に繰り返して1周します。
4段目はすべてこま編み、5段目は模様編み、6段目はすべてこま編み、7段目は模様編み・・・と、偶数段はすべてこま編みで1周し、奇数段は模様編みをする、といった具合に毎段交互に繰り返しながら、側面を11段目まで編みます。
・袋口の閉じ方(「こま編みはぎ」のしかた)
側面を11段目まで編み終えたら、編み地を袋状にたたんで持ち、袋の口をこま編みはぎでとじていきます。
こま編みはぎで10目編んだら糸を切ります。
こま編みはぎのしかたは動画が分かりやすいので、動画でご確認ください。
・ループの付け方
動画では、糸の色を変えてループを編みつけています。
お手持ちの毛糸が1色でしたら、同じ色でループをつけてみてください。
本体の立ち上がり位置がきているほうの脇の、下のほうに針を入れてループを編みはじめます。
このとき針を入れる位置は、多少ずれていても、だいたい脇のあたりにきていればOKです。
参考までに、編み図にループつけ位置を記していますので、こちらもご覧になってみてください。
針を入れたら、つづけてくさり7目を編んでループにします。
こちらも、付け方は動画が分かりやすいので、動画でご確認ください。
では、実際に編んでみましょう!
編み方動画はこちら
くさりの作り目からループの付け方まで、エコたわしを完成させる手順を動画で解説しています。音声なしの字幕つき動画です。
第1回、第2回でご説明した編み方は、説明を省略しています。
ご不明なところがありましたら、前の回が参考になるかもしれません。
今回の動画も約20分ありますので、お時間にゆとりあるときにでも、ごゆっくりご覧ください。
くさりの作り目から目を拾って編んでみましょう!
今回は「くさりの作り目」をして、それ輪につなげてから編みはじめます。
ポイントは、その「くさりの作り目」から目を拾って1段目を編むときに、針を入れる位置です。
くさりの向こう側1本と裏山をすくって編むには、実際にどこに針を入れればいいのか、動画で確認してみてください。
・くさりの向こう側1本と裏山をすくって編む
作り目のくさりを輪にするときも、1段目のこま編みをするときも、くさりの向こう側1本と裏山をすくって編んでいきます。どこに針を入れて、どの糸を拾って編むのかを、画像でご説明します。
段の編みはじめの「立ち上がりの目」はどこ?
輪編みは、毎段、最後の目を編み終えたら、その段の最初(立ち上がり)の目に針を入れて、引き抜き編みをするのがオーソドックスな編み方です。
そのためには、その段の最初の目がどこで、どこに針を入れればよいのか、が分かる必要があります。
今回の作品を通して、それが分かるようになってもらえるのが目標です。
動画では、その辺を詳しくご説明していますので、ぜひ意識してご覧になってみてください。
・段の最初の目(立ち上がりの目)に引き抜き編みをする
段の最初に編むこま編みの目(立ち上がりの目)の見方を、画像でご説明します。
輪編みの段の編み終わりで、立ち上がりの目のどこに針を入れて引き抜き編みをすればよいか、というステップを通して解説していきます。
エコたわしの本体を編み終ったら
本体は、筒状の輪に編んでいきますので、編みはじめ側も、編み終わり側も口が開いた状態になっています。
今回は、編み終わり側の口を、こま編みはぎでとじて仕上げます。
ここも動画で丁寧に解説していますので、動画でご確認ください。
糸処理のしかたについては「編み終わりと糸処理」のページでも詳しく説明していますのでご参考になさってください。
編んでみて、こんなアレンジしたくなりませんか?
エコたわしのサイズを変えて編んでみたいです
A.サイズを変えることは可能です!
若干のサイズ調整であれば、使用するかぎ針の号数を変えたり、毛糸の太さ細さを変えたりすることで対応できます。
特に小さくしたい場合は、糸を細くして、かぎ針の号数を小さくするのが一番簡単です。
逆に、もっとサイズを大きくしたい場合は、作り目の数が偶数になるように、目を増やしてみてください。
例えば、作り目24目のところを、30目、36目といった具合に、より大きな偶数に変えることで、サイズを大きくすることができます。
その場合、側面の段数が11段では、高さが足りなくなってしまうかもしれません。
段数は、奇数段で編み終わるように、11段のところを、15段、19段のように増やしてみてください。
その他のサイズアレンジ方法としては、同じ作り目の数で、編む段数だけを増やして、縦長タイプにすることも可能です。
その場合も、奇数段で編み終わるようにすれば、最後のこま編みはぎも全く同様に編むことができます。
本体も2色づかいで編んでみたいです
A.それも可能です。毎段色を替えて、2色で編むのもおもしろいです!
下の写真の作品は、本体を2色づかいで編んだ例です。
1色で編むのとは印象がガラっと変わりますね。
3、5、7、9、11段目を茶色の糸で編むとこのようになります。
【画像解説】段ごとの色の替え方ページに、色替えの仕方の解説がありますので、ご参考になさってください。