かぎ針編みにもいろいろありますが、まずは、全体像をざっと知りたい!そんなときに参考にしていただきたい内容をまとめました。
知らなくても作品を編むことはできますが、知っておくと、今編んでいる作品がどんなジャンルなのかが分かって、ちょっとすっきりするかと思います。
Index -目次-
かぎ針編みの編み地
かぎ針編みの編み地の種類は、大きく2タイプあります。
編み地の裏表を返しながら編んでいく「往復編み」と、ぐるぐる円を描くように編んでいく「わ編み」です。
往復編みかわ編みかによって、編みはじめの編み方も違います。
ではまず、この2タイプの編み地の違いを見ていきましょう。
かぎ針編みの往復編み
・往復編みの用途
往復編みは、ウェアやマフラー・長方形のショールなど、平らに編み進めていく作品によく用いられる編み方です。
往復編みを目数の増減なく編むと、長方形や正方形の四角い編み地ができあがります。
・往復編みの編み方
右利きを前提にお話しすると、往復編みは、編み地の右から左に向かって編み進め、1段編み終わると、次は編み地の反対側を見ながら右から左へと編みます。
毎段編み地の裏表を返しながら、往復に編んでいく手法です。
・往復編みの編みはじめ
往復編みをするときは、「くさりの作り目」で編みはじめます。
くさりの長さが編み地の横幅になります。くさりの長さは、くさり目の数を変えて調整します。
必要な数のくさりを編んだら、1段目は、作り目のくさりにかぎ針を入れて編んでいきます(後ほど詳しく解説します)。
・往復編みの編み地の裏表
たとえば、編み地をすべてこま編みだけで編む場合、裏も表も見た目はほとんど変わらないので、あまり裏表は気にならないかもしれません。
それが模様編みとなると、編み地の裏と表で表情が異なることもよくあります。そんなときは、あらかじめ、どちらを作品の表として使うかを決めておきます。
一般的には、作り目の糸端が左側に見えている面が編み地の表側として使われることが多いです。
編み地の裏側(作り目の糸端が右側に見えている面)を表として作品を仕上げる場合は、「この作品は、編み地の裏を表として使います」といった添え書きがあったりします。
かぎ針編みのわ編み
・わ編みの用途
わ編みは、バッグや帽子、靴下、レッグウォーマー、編みぐるみなど、袋状・筒状の編み地で仕上げる作品や、モチーフつなぎに使うモチーフのように同心円や同心の四角を編むのによく用いられる編み方です。
わ編みの編み地は、毎段の立ち上がり位置(毎段の編みはじめ)が目立ったり斜行したりすることがありますが、すべて目の表側が見えるので編み地がきれいです。
・わ編みの編み方
わ編みは、常に編み地の表側を見ながら編みます。段のはじめに立ち上がりのくさりを編んで編みはじめ、右から左に向かって編みます(右利きの場合)。段の最後の目を編んだあと、最初の目に引き抜き編みをして、その段を編み終えます。
・わ編みの編みはじめ
わ編みをするときの編みはじめとしては、大きく2タイプあり、1つは「わの作り目」で、もう1つは「くさりの作り目」です。
わの作り目で編みはじめると、バッグや帽子のように、編みはじめ側の中心が閉じた袋状の編み地になります。
くさりの作り目は、往復編みのときと違って、くさりの両端を引き抜き編みでつなげて、くさりをわにした状態から編みはじめます。
くさりをわにした作り目で編みはじめると、レッグウォーマーのように筒状の編み地になり、編みはじめ側も開いたまま編み進められます。
・わ編みの編み地の裏表
わ編みの場合は、常に編み地の表側を見ながら編み進めていくので、編んでいるときに見えている面が表になるのが一般的です。
玉編みなどの模様編みで、ポコポコとした出っ張りが裏側に見える場合や、ビーズ編み(ビーズが裏側に出るため)などでは、編み地の裏を表として使うこともあります。
また、作品によっては例外的に、毎段編み地の裏表を返しながら、わに編む「わ編みの往復編み」という編み方がされることもあります。
かぎ針編みの作り目
先ほど、かぎ針編みには、大きく2タイプの編み地があることをご説明しました。
ここでは、3タイプの作り目のしかたを詳しく解説します。
くさりの作り目
往復編みの編みはじめに用いられる、くさりの作り目。
作品の編み方説明などで、「くさり25目で作り目します」「くさりの作り目で編みはじめ、25目編みます」などといった記載がある場合は、くさり25目を編んだものがくさりの作り目にあたります。
別ページに、「くさり編み」の編み方 動画解説 があります。
くさりの作り目で編みはじめる場合、1段目を編むときに、くさりの裏山(裏側に出ている1本)を拾って編むのか、くさりの向こう側1本と裏山(の2本)を拾って編むのかが書き添えられていることがあります。
特にそのような説明がない場合は、編みやすい方法で編めばよいかと思います。
くさりの作り目(くさりをわにする作り目)
わ編みで用いられるくさりの作り目は、作り目の段階で、くさりをわにすることが多いかと思います。
必要な数のくさりを編んだら、一番最初に編んだくさり目に針を入れて引き抜き編みをして、くさりをわにします。
このようなケースでは、編み図がある場合、作り目のくさりの最初と最後の目が引き抜き編み記号でつなげられています。
こちらも、1段目の拾い方の説明がある場合は、それに従って編みます。
別ページに、作り目のくさりの引き抜き編みの動画解説 があります。
わの作り目
わの作り目は、糸を2重に巻いたループに、1段目で編むべき目数を編み入れ、最初の目に引き抜き編みをして輪にします。2重に巻いたループの糸がゆるく余っている状態なので、引き締めます。
別ページにある、「こま編みのわ編み」の編み方 動画解説、こま編みの「わ編み」徹底解説 が、わの作り目のご参考になるかと思います。
くさりの作り目の拾い方
くさりの作り目をして編みはじめる場合、1段目は作り目のくさりに針を入れて編むことになります。そのとき、くさりのどこに針を入れて(どの糸をすくって)編むかによって、仕上がりが少し異なります。
ここでは2種類の拾い方をご紹介します。
1つ目の「くさりの向こう側1本と裏山を拾う」方法は編みやすいので、目数の多い場合などにおすすめで、2つ目の「くさりの裏山を拾う」方法は仕上がりがきれいなので、編み地の端にも意識を払いたいときにおすすめです。