私がかぎ針編みをはじめて間もない頃、編み図を見ても、実際編むときによく分からなくて困った編み図をご紹介している〝困った編み図〟シリーズ。
第二弾は、引き上げ編みです。
ビギナー時代は、引き上げ編みというと、ちょっとハードルが高い印象でした。何かいつもと違う動きをしそうなあの記号、そう感じませんでしたか?
棒針編みのなわ編みの記号を見て、(実は簡単なのに)何となく尻込みしてしまう感覚に近いものがありました。
引き上げ編みも、編んでみると実は簡単です。
ただ、1つ注意点があり、最初はそこがややこしいのです。
ここでは、そのややこしいところをご説明していきます。
【往復編みの「表引き上げ編み」記号】
まずこちら、1段目は普通に長編みだけです。
2段目から「長編みの表引き上げ編み」(以降、「表引き上げ編み」「裏引き上げ編み」と記載)が登場します。
この編み図は、編み地ができあがったとき、表から見たらどうなっているか、という表し方になっています。
要するに、編み地を表側から見ると、引き上げ編み記号のところはすべて「表引き上げ編み」したように見えていないといけないという意味です。
でも往復編みなので…2段目は裏を見ながら編むことになります。
編み図が表から見て「表引き上げ編み」と表しているので、編み地を表から見たとき「表引き上げ編み」したように見えるためには、2段目の編み方は…どうなるのでしょう?
ここが分かりにくい点でした。
回答としては、2段目の実際の操作(編み方)は、「裏引き上げ編み」を編むことになります。
表?裏?どっちがどっち?って感じになりますよね。
2段目を(編み地の裏を見ながら)編むときに「裏引き上げ編み」をすると、編み地を表から見たとき、「表引き上げ編み」に見えるのです。
では実際に編んでみることにします。
こうして最後の画像を見ると、編み地の様子は編み図の記号と合致していますね。
なので、2段目は、編み地の表側から見たときに「表引き上げ編み」をしたように見えるよう、(編み地の裏側を見て編む)操作としては「裏引き上げ編み」をすればよいということが分かります。
【往復編みの「裏引き上げ編み」記号】
では、こちらの編み図。
先ほどの編み図とは逆で、裏引き上げ編みの記号になっています。ここでも、編み図では、表から見たとき「裏引き上げ編み」に見える、という意味合いです。
編み地の裏側を見ながら編む2段目。編み図記号は「裏引き上げ編み」ですが、実際の操作は「表引き上げ編み」になります。
そして、3段目で表側を編むときの操作は「裏引き上げ編み」です。
さっそく、実際の編み地で見てみましょう。
こちらも、表側から見ると、編み図で示された記号のとおりの編み地になっています。
はじめは、編み地を見ても、どこが表引き上げ編みで編まれていて、どこが裏引き上げ編みで編まれているか分かりにくいと思いますが、往復編みの編み図に引き上げ編み記号が登場したときに、表側と裏側で、どのような編み方をすればよいか、分からなくなったときのご参考になさっていただければと思います。
【往復編みではなく、わ編みだったら】
ここまで、往復編みの編み図に引き上げ編み記号が登場したときの編み方を解説してきました。
これがもし、わ編みの編み図だったら…。
わ編みの編み図だったら、今回のような悩みは不要です。
わ編みは基本的に、ずっと表側を見て編みますから、編み図の通りの操作をすれば問題ありません。
「表引き上げ編み」の記号だったら表引き上げ編みをすればいいし、「裏引き上げ編み」の記号だったら裏引き上げ編みをしてください。
こんなに〝引き上げ編み〟を連発されると、ちょっと引き上げ編みの作品を編んでみたくなりますよね?!
当サイトでもご提供できるよう、私もがんばります!