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かぎ針編み初心者さんに〝おすすめの毛糸5選〟

かぎ針編みってどう編むの?

かぎ針編み初心者さんに〝おすすめの毛糸5選〟

これまで、かぎ針編み初心者さんにおすすめの〝模様編み〟や〝冬小物〟をご紹介してきました。
次は、かぎ針編みをしようと思ったときに判断が必要となる〝毛糸選び〟について触れてみます。

どんな毛糸で編もうかと悩むことも、かぎ針編みの楽しみの一つですね。
好きな色や自分に似合う色、ついついいつも選びたくなってしまう色などあるかと思います。

さらに、かぎ針編みのひとときがいっそう心地よく感じられるために、ぜひ編みやすい毛糸を見つけていただければと思います。

ここでは、かぎ針編み初心者さんにも〝編みやすい毛糸〟かどうかを判断するポイントをお伝えしていきます!

かぎ針編み 毛糸選び 初心者さんにおすすめの毛糸

毛糸の太さ・細さ

毛糸選びにあたって、まずあげたいのは〝糸の太さ・細さ〟!
これは、作品選びにもかかわる視点で、難易度を左右するポイントでもあります。
かぎ針を持つのがはじめてで、毛糸はどう持つんだっけ?というときは、「並太」や「極太」くらいの、ある程度太さのある毛糸が扱いやすいです。

手で持っている感覚も安定感があるし、何より編み目が見やすい!
今自分が編んだ目がどうなっているかを見極めるのが、はじめはけっこう難しかったりします。
そんなとき、毛糸が太めのほうが、分かりやすくてストレス減です。

あと、毛糸の〝柔らかさ〟や〝張り〟も編みやすさを左右しますが、細糸では特にそれが顕著です。
細くて張りのない糸は編むのが難しめ。
編み物用の毛糸ではこういうタイプはあまり見ないかもしれませんが、シルクの細糸などは、柔らかすぎて針をかけにくかったので難易度高めの判断です。

それに対し、太めの糸は、太さがある時点でしっかりしているので、柔らかさや張りの影響をあまり感じません。
太糸の場合は逆に、あまり硬いと編んでいる途中で手が疲れてしまうので、はじめはウールやコットンなど、硬すぎない素材を選ぶのもポイントです。

毛糸の太さは、細いものから順に、超極細 → 極細 → 合細 → 中細 → 合太 → 並太 → 極太 → 超極太 といった名称で呼ばれます。
商品名に「〇〇中細」「◇◇◇並太」などと書かれているケースも。

上の写真では、左から2番目が合細、左から3番目が極太です。
合細でこま編みの輪編みなどをすると、初心者さんが編み目を見るのは結構大変そう。という意味で、並太や極太くらいの毛糸が編みやすいのではないでしょうか。

例えば、並太を使って編むかぎ針編み作品は、バッグや帽子、カウル・スヌード、マフラー、手袋、ポーチ、あみぐるみ・・・など幅広く見かけます。
極太も、並太作品とある程度重複しつつ、ブランケットやフットカバーなど、大き目サイズの作品や、編み地に厚みを出したい作品などにもよく使われます。

中細など細めの糸と比較すると、並太・極太の作品は、厚みのある仕上がりになります。
小さな作品や繊細な雰囲気の作品にはあまり使われませんが、強度やざっくりとした風合いをいかした作品がたくさんあります。

特に並太毛糸の作品は、かぎ針編み作品の中では非常に多いと思いますので、編みやすそうな毛糸選び、作品選びのご参考になさってみてください。

毛糸の色

次にあげるとすると〝毛糸の色〟です。
かぎ針編みはじめてさんにおすすめなのは、明るめの色!

昼間の明るいときに編むのであれば、ぎりぎり濃いめの色もなくはないかもしれませんが、まずは明るい色味の毛糸が安全です。
明るい色のほうが、編み目が見やすいからです。

濃い色のほうが、編み目がガタガタになっても目立たないのでは?という気がしてしまうかもしれませんが、まずは編むことにフォーカスしていいのかなと思います。

編んでいる途中で、あれ、目数が合わない!というのはよくあること。
そんなとき、今編んできた目を数えて、どこで間違ったかを突き止めないと編み直しができません。いつしか日も暮れてきます・・・。

濃色糸で編みたいときは、黒と、紺やチャコールグレーでもだいぶ違うので、まずは黒以外ではだめなのかどうか考えてみてはいかがでしょうか。

上の写真は、明るい時間帯に撮りました。
黒い毛糸の、影になっているところを見ると、何となくお察しいただけるでしょうか。

色選びは好みがあるので、こうじゃなきゃ、はないのですが、編み目が見慣れてきたころに黒で編むのか、見慣れないときに編むのかでは違うと思いますので、ご参考まで!

毛糸の形状・質感

もう一つ、見落とすわけにはいかないポイントは〝毛糸の形状・質感〟です。
この言葉だけでは少し伝わりにくいのですが、起毛タイプの毛糸か、そうでない毛糸かは、実はとても大切な違いです。

かぎ針編み初心者さんにおすすめなのは、起毛していないストレートヤーン。
いちばんよく目にする、オーソドックスなタイプの毛糸です。

ストレートヤーンは、太さが均一な状態で続いている毛糸のこと。一方で、太さがところどころ変わる スラブヤーンなどもあります。
こうした違いも「編み目が見やすいかどうか」という点で重要ですが、起毛の有無 は、さらに 「ほどきやすさ」 にも大きく関わってきます。

起毛タイプの毛糸といえば、ふわふわで、ぬいぐるみのようにかわいいモヘア糸。
手に取っているだけでうれしくなる魅力があります。
ただ、ふわふわした毛同士がからまりやすく、初心者さんはもちろん、編み慣れた人でも編み目をほどくのが大変な糸でもあります。

編み直しが必要になるのは、初心者さんに限ったことではありません。
ほどくときのガッカリ感が分かるだけに、最初のうちは編むのも、ほどくのもスイスイできる毛糸のほうが、気持ちもぐっと楽です。

毛羽立ちの多い糸は、少し編み慣れてから、ストレートヤーンとの風合いの違いを楽しむ 形で取り入れるのもおすすめですよ。

上の画像の左の2つはモヘア糸、右の2つは起毛のないストレートヤーンです。
同じモヘア糸でも、ふわふわの毛足が長いタイプと、そこまで長くないタイプがありますが、ほどきにくさは・・・そんなに変わらない印象・笑。

編んでいるときにすでに、あ、絡んでるな、と感触でわかることがありますが、そのまま進めてしまったりします(もちろん、その時は、ほどく気などないので)。
それが、予想外にほどく必要が出たりするのです。
糸を少ししか使わない作品なら、ほどかず、新しい糸で最初から編み直してしまったほうが早かったりするんですよね。

ファーのついた糸や、ファンシーヤーンのような変わり素材の糸なども、ほどくときに引っかかることがありますが、すべりのよい糸もあるのでケースバイケース。
ファンシーヤーンはどちらかというと、編み目の見づらさに注意です。

かわいいと思って買ったら、思った以上に編み目がよく見えない・・・勘で編むしかない、なんてことも。
そんなときは、ふち編みだけに使ったり、ストレートヤーンと引き揃えて使うなどしてもいいかもしれません。

毛糸の撚り

毛糸の素材にもかかわるのですが、〝毛糸の撚り〟という視点もあげられます。
糸の撚りとは、1本または複数本の繊維の束にねじりを加えて1本の丈夫な糸にすること。
撚りがしっかりしていると、糸割れしにくいので編みやすく、かぎ針編み初心者さんにもおすすめです。

撚りが強めの糸は、むっちりしていて立体感があってかわいい印象(抽象的ですが)。
ウールなどは絡み合って撚りが保たれ、糸割れしにくい素材です。

それに対し麻素材の糸は、繊維が硬く伸びにくいため、ウールのように強い撚りをかけにくい素材です。
また、繊維同も噛み合いにくいため、糸割れしやすい糸もあります(※ 同じ素材でも、糸によって撚りの強さは異なります)。

下の画像の左2つは、ともに麻素材(ラミーとリネン)、一番右はコットン、右から2つ目はコットン×アクリル素材です。
右の2つは撚りがしっかりしています。

拡大した画像も載せますね。
下の画像では、撚りの感じが伝わりますでしょうか。
右の2つの毛糸はくるくると巻いています。左の2つは、撚りがゆるく、やや平たい印象です。

撚りの強いコットン素材はむっちり、撚りの甘い麻素材はシャリ感と光沢があって涼し気。
どちらもそれぞれ良さがあり、サマーシーズンは特に、麻素材ははずせない魅力があります。

ここでは、初心者さんにとってどちらが編みやすいか比較したいので、そうなると、撚りの強めのコットンに軍配があがります。
むっちりしている糸は編みやすいし、編み目も見やすいので、素直におすすめです。

ちなみに麻の糸も、糸割れしにくいものがたくさんありますので、ちょっと意識して選ぶだけで編みやすさが違いますよ。
編んでいるときや完成後に、素材による違いを感じられるのも編み物の楽しさなので、手が慣れたらぜひいろいろな糸を試してみてください!

入手しやすさ

このポイント〝入手しやすさ〟は、毛糸選びしているときは気にならないものの、あとからじわじわ効いてくることがあります。

ぴったり買ったはずのなのに、編み進めてみると毛糸が足りない・・・!
突如思い立って、「これはほどいて、違うものを編もう」と思ったら糸が足りない・・・!

こんなことは、編み物をしていると意外とよくあります。
ビギナー時代は、やはり作品を完成させるという体験がとても貴重。
それでいて、余るくらい多めに毛糸を買っておく、という発想がなかったり、使用量を見積もるのが難しかったりしがちです(これは玄人でもあるあるですが)。

編みかけで中断しても、せっかく再開したなら完成させて、達成感を味わってほしい。だからこそ、毛糸が足りなくなったときに追加購入できるかどうかという点は、じんわり大事なポイントです。

日本の毛糸は、製造ロット(同じ条件でまとめて生産する製品の最小単位)が違っても、色の違いはさほど大きくない(ほとんどわからない)ことが多いので、同じ毛糸が生産されていて、いつでも入手できる、というのは編み物をするうえで大きな安心材料になります。

毛糸によっては、廃盤になったり、特定の色だけ廃盤色になってしまうこともありますが、そればかりは先読みできないので仕方がありません。
定番毛糸の定番色であれば、その可能性は比較的少ないはずですので、初心者さんの糸選びのポイントとして、ご参考になれば幸いです。

まとめ:初心者さんにおすすめの毛糸、5つのポイント

かぎ針編み初心者さんにおすすめの毛糸、5つのポイントをおさらいしてみましょう。

〇毛糸の太さ・細さ・・・並太、極太くらい
〇毛糸の色・・・明るめの色
〇毛糸の形状・質感・・・起毛のないストレートヤーン
〇毛糸の撚り・・・撚りがしっかりしている
〇入手しやすさ・・・入手しやすい毛糸、定番ならさらに安心

かぎ針編みをつづけてきた経験から、私が初心者さんにおすすめするならこんな毛糸です。

世の中には素敵な毛糸がたくさんあって、毛糸選びは本当にわくわくします。
かぎ針編み初心者さんも、ぜひいろいろな毛糸で編み物を楽しんでください!

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