かぎ針編みといえば、日本では編み図で編み方を表現するのが一般的ですよね。
海外のレシピでも編み図を目にすることはありますが、英文で編み方を解説したパターンもよく見かけます。
慣れ親しんだかぎ針編みとはいえ、英語の専門用語が並んでいると、最初はとっつきにくい感じがしてしまいますよね。
ただ、海外の英文パターンが理解できると、かぎ針編みの楽しさも広がりそう。
そこで、海外レシピの理解に役立ちそうな用語などをまとめてみました。
毛糸やかぎ針を用意するところからはじまり、編みはじめから編み終わりまで、実際の流れを意識した掲載順にしてあります。
同じ英語でも、国によって編み方の表記が違う場合がありますが、こちらは主にアメリカで使われている表記をもとにしました。
レシピや本によって表現が異なりますので、英語表記の一例としてご覧いただければと思います。
用語も見慣れてくると、いつの間にか記憶に残っていたことに気がつくので、最初は深く考えずに英文をパラパラ眺めているだけでもいいかもしれません。
読解してでも編んでみたい!と思えるようなパターンに出会えたら素敵ですね。
わたしは、いつか英語でもパターンを作ってみたいと夢見ながら…たびたびこのページを見返したいと思います。
Index -目次-
毛糸と道具
海外のレシピでは、使用糸の表記も日本と異なっていることがあり、この糸はどれくらいの太さなの?と、想像がつかなかったりします。
海外の毛糸も、1玉の重さと巻きの長さが分かればイメージしやすいので、よく使われる単位から見ていきたいと思います。
[毛糸の重さと長さ]
毛糸の重さはグラム(g)、オンス(oz)などで表記されています。
1オンス = 約28グラムです。
参考:オンスからグラムへの換算ができるサイト
毛糸の巻きの長さはメートル(m)、ヤード(yd)などで表記されています。
1ヤード = 約0.9メートルです。
参考:ヤードからメートルへの換算ができるサイト
似た太さの毛糸を探す際には、別ページ「太さが近そうな糸を探すには?」「続・太さが近そうな糸を探すには?」もご参考になさってみてください。
[毛糸に関わる英語表現]
- main color (MC):メインカラー。編み込みでいうと地糸。
- contrasting color (CC):直訳すると対比色。編み込みでいうと配色糸。
[かぎ針のサイズ]
かぎ針の号数の表記も、日本と海外では異なります。
こちらも別ページ「日本と海外のかぎ針サイズ」がご参考になればと思います。
[ゲージ]
ゲージがインチで記載されていることがあります。
1インチ = 約2.5センチメートルです。
参考:インチからセンチメートルへ換算ができるサイト
[ゲージに関わる英語表現]
- stitch (st):目。stitches と複数形になることも。略語 st(s)。
- row:往復編みで編むときの段のこと。1段目は「row 1」のように表記されます。
- round (rnd):わ編みするときの段のこと。
編みはじめ
かぎ針を持って作り目し、1段目を編むところまでの説明の中で、英文パターンではどのような表現が使われるかをまとめました。
[編みはじめに関わる英語表現]
- hold the hook:かぎ針を持つ
- hold the yarn:糸を持つ
- yarn over (yo):糸をかける。
- yarn over hook (yoh):かぎ針に糸をかける。
- slip knot:1つ目のくさりを編む前に作る、一番最初のループ。
- foundation chains:くさりの作り目。
- foundation row:往復編みの1段目がこのように表現されることもあります。
- foundation single crochet (fsc):
くさり編みにこま編みを編みながら作り目をしていったような仕上がりの作り目のしかた。作り目の高さも、くさり編みにこま編みを編んだときの高さくらいになります。別ページ「伸縮性のある作り目」で編み方を解説しています。 - foundation double crochet (fdc):
くさり編みに長編みを編みながら作り目をしていったような仕上がりの作り目のしかた。作り目の高さも、くさり編みに長編みを編んだときの高さくらいになります。 - multiples of X plus Y:Xの倍数プラスY(くさりの作り目をする場合の表記)。例えば、3目1模様であれば「3の倍数 + 1」目で作り目をするようなケースですね。ほかにも、any multiple plus 3(この場合は1段目が長編みで、+3 は立ち上がりのくさりの分)や、multiple of 2 のようなバリエーションがあります。
- work 6 sc in ring:わの作り目でこま編み6目を編む。6目というのは例です。このあとに「pull free end of yarn to close circle(糸端を引っ張ってわの中心を閉じる)」といった説明がつづいたりします。
- join rnd with a sl st in first sc:最初のこま編みの目に引き抜いてわにする(こま編みのわ編みの編み終わりで、立ち上がり目に針を入れて引き抜き編みをするところ)。
もしこれが長編みのわ編みだったら「join rnd with a sl st in 3rd ch of beg ch-3(立ち上がりのくさりの3目めに引き抜き編みをしてわにする)」のような表現になります。 - front of chain:くさりの表目
- back of chain:くさりの裏山
- begin / beginning (beg):はじめの。たとえば、長編みをわに編むときの立ち上がりのくさりは「beg ch-3」と表されたりします。
- turning chain (t-ch):往復編みの、立ち上がりのくさり。
- 2nd ch from hook:かぎ針に近いほうから数えて2番目のくさり目。たとえば、くさりの作り目をして1段目はすべてこま編みを編む場合、立ち上がりのくさりを編んだ後、かぎ針に近いほうから2番目のくさりに針を入れてこま編みを編むことになりますよね。そのようなケースで使われる表現です。英語表現ではこの、かぎ針から何番目のくさり、という表現をよく目にします。
いろいろな編み方の説明
つづいて、2段目以降編み進めていく際に、英文パターンの読解に役立ちそうな表現もまとめてみました。前段の目から拾ったり、繰り返し編むときの表現などが登場します。
[編み図記号と英語表現]
日本の編み図記号で表されるような編み方の英語表現は「かぎ針編みの編み図記号[英語版]」ページで解説しています。
編み図記号の日本語解説と同じ表を使用していますので、見比べてご確認いただくこともできます。
[編み方に関わる英語表現]
- chain space (ch-sp):くさりで作られた空間。「space created by chains」と表現されることも。2段目以降で前段のくさりを束にすくうときに、かぎ針を入れる空間のこと。
- right side (RS):編み地の表。往復編みの場合、編みはじめの糸端(chain tail)が左側にきていれば、編み地の表を見ているということになります(右利きの場合)。
- wrong side (WS):編み地の裏。往復編みの場合、編みはじめの糸端が右側にきていると、編み地の裏を見ているということになります(右利きの場合)。
- skip (sk):とばす。前段の目を何目かとばしてその先の目に編み入れるときなどに使われる表現。たとえば「skip first sc, dc in next sc(最初のこま編みの目はとばして、次のこま編みの目に長編みを編む)」のように使われます。
- in each ch across:すべてのくさり目、それぞれに編み入れる。たとえばこま編みなら「sc in each ch across(すべてのくさり目に、それぞれこま編みを編み入れる)」のように表現されます。
- increase (inc):増し目。
- decrease (dec):減らし目。
- through back loop (tbl):前段の目の向こう側1本だけを拾う。
- through front loop (tfl):前段の目の手前側1本だけを拾う。
- front loop / front loop only (FL / FLO):前段の目の手前側1本だけ。
- back loop / back loop only (BL / BLO):前段の目の向こう側1本だけ。
- front post (FP):編み地の表側から針を入れて引き上げる。表引き上げ編みの操作。
- back post (BP):編み地の後ろから針を入れて引き上げる。裏引き上げ編みの操作。
[記号による編み方の指示]
- * :説明にしたがって、アスタリスクがついている箇所以降の編み方を繰り返す。
- ( ):カッコ内に書かれた編み方を、指示された目に編み入れる。たとえば「(dc, ch 2, dc) in next sc」だと、「(前段の)次のこま編みの目に、長編み1、くさり2、長編み1を編む」ということを表します。
- [ ]:指示があった回数だけ、角カッコ内の編み方を繰り返す。
編み終わり
[編み終わりに関わる英語表現]
- fastening off:かぎ針にかかっているループに糸をくぐらせて引き締め、糸を切る。
- weaving in yarn:糸端をとじ針に通し、編み地の何目かに糸をくぐらせて糸処理する。
その他もろもろ
ここまでにピックアップした用語以外にも、いろいろな表現がありますが、略語で表記されることのある、次のような言い回しもご参考になればと思います。
[上記以外の英語表現]
- alternate (alt):代わりの。
- approximately (approx):約。
- between (bet):~の間に。
- continue (cont):つづける。