編み物の本や、オンラインショップの編み図で、使用糸が海外メーカーの糸だった、ということもよくあります。
そのまま同じ糸で編むのももちろんよいですが、家にある余り糸で代用できないかな、とか、手に入りやすい国内メーカーの糸を使えたらな、と思うこともありますよね。
例えばということで海外の糸と書きましたが、編み図の使用糸が国内メーカーの糸だったときでも、それと違う糸を使いたい場合は一緒ですね。使用糸と太さが近い糸はどれか、あたりをつけたくなります。
これから編み物をはじめられる方のご参考に、そんなときの判断方法をご紹介します。
【〝ぱっと見〟は当てになる?】
一般的には、糸には帯がついていて、そこにグラム数と糸の長さが書かれています。「40g(約160m)」といった表記のことです。
このグラム数がどの糸も同じであれば、悩むことなく簡単に比較ができます。
ただ、グラム数は様々で、単純な比較ができないことも多々あります。
今回は、帯の記載をたよりに、フェアアイルニットで使われる有名な海外糸「Jamieson’s Shetland Spindrift」と近い太さの糸を探してみることにします。
比較するのは、いずれも国内メーカーの糸にします。
上の画像は、左から、ハマナカ「純毛中細」、「Jamieson’s Shetland Spindrift」、パピー「ブリティッシュファイン」、ダルマ「シェットランドウール」です。
糸を拡大してみると、このような感じです。
どれが Jamieson’s に近いでしょうか。私の印象だと「シェットランドウール」あたりかなぁ、と。
目で見て似たような太さの糸でゲージを編んでみるのも良いのですが、今回は、ゲージを編む前に、数字を目安にしてみます。
【グラム数と巻きの長さ】
次に、毛糸のラベルを見ていきます。
では、数字を比較してみます。
Jamieson’s:25g、105m
純毛中細:40g、160m
ブリティッシュファイン:25g、116m
シェットランドウール:50g、136m
Jamieson’s とブリティッシュファインは、グラム数が同じなので比較しやすいですね。ただ、他の糸も Jamieson’s と同じ25gだったら何mあるかが分からないと、比べることができません。
【比の計算をしてみる】
そこで、ちょっと懐かしい〝比の計算〟をして算出してみます。
算数が得意な方は、言われなくてもお分かりかと思いますが、算数が苦手な私も、比の計算は便利なのでよく使っています。
まずは、Jamieson’s と純毛中細から計算していきます。
40g : 160m = 25g : x m
40 × x = 160 × 25
40x = 4000
x = 4000 ÷ 40
x = 100
と、この計算で「純毛中細」は25gに換算すると約100mくらい、と判断します。
「シェットランドウール」はちょうど「Jamieson’s」の倍の50gだったので、糸の長さを2で割ります。
これで、以下のように、同じ25gでの比較ができるようになりました。
Jamieson’s:25g、105m
純毛中細:25g、100m
ブリティッシュファイン:25g、116m
シェットランドウール:25g、68m
私が目で見たときの印象は大ハズレで(笑)、数字的には「純毛中細」が一番近いという結果になりました。
オンラインショッピングなど、毛糸を手に取ることができないお買い物もあるので、数字だけでこんな風に比較する方法もある、というご参考になればと思います。
ただ、厳密には編んでみないと分からないので、特に大物作品などを編む際には、比の計算で候補を絞り込んだ後、ゲージをとって確かめてみてくださいね。
今回の糸も、これからゲージをとって検証してみますので、続きは少しお待ちください。