こちらは、いろいろな角度からかぎ針編みを追求してみようというコーナーです。AtoZの26のテーマに収まるか分かりませんが、幅広く研究していこうという意味で、このタイトルにしました。
「かぎ針編みってどう編むの?」は初心者さんに向けた情報をまとめまとめていますが、こちらは、もう1歩踏み込んで、かぎ針編みの更にニッチなテーマに焦点を当ててみます。
興味関心というのは、近いところから、だんだん遠いところに広がっていくものですね。
かぎ針編みに没頭しはじめてからというもの、最初は日本の編み物本を新しいものから古いものまでざーっと見て、あらあら把握できたら、次は、国が変わると何が変わるのだろう、と興味がわいて、今度は海外の編み物本を、またざーっと。
一言に海外といってもいろいろな国がありますから、そう簡単に探究は尽きないのですが、そうとう調べたり、本も何冊かずつ見たりしていると、その国の傾向がどこか垣間見えてきます。
ドイツのレトロな本は、レース編みのドイリーみたいな作品が多いな、とか、フランスは意外と編み物の本が少ないよね、とか、リトアニアは棒針はするけどかぎ針はあんまりやらないのかな、とか…
私が見ているのは、ほんのひとかけらなのだと知りつつも、本1冊眺めているだけで、楽しいひと時が好奇心を満たしてくれます。
結局のところ、素敵な作品は日本にも海外にもあふれていて、甲乙つけられるものではないのですが、これまで見た本の中に、1冊、ずば抜けて素晴らしい!と思う作品集がありました。
フランスの古い、クロッシェ・レースの作品集です。
こうやって言葉にすると平坦に聞こえてしまうかもしれませんが、こんなに他と違っている作品を見たのは初めてで、見た瞬間から感動と衝撃とが入り混じっていました。
昔のフランスでは、高貴な方がこんなレース飾りのついた衣装を身につけていたのかも…と、いにしえに思いをはせてしまうくらい、繊細で凝っていて、素晴らしくセンスの良いレース作品の数々。
どれ一つとして、これまで見たことのあるようなデザインはありませんでした。
文字はフランス語で読解できませんし、編み図もありません。
写真を見ても、1か所たりとも編み方の想像がつかず、これを考えた人は天才だと、ただただうっとり見入るばかりです。
こんな素晴らしい作品が世の中にあることを知って、私の中では、かぎ針編みが一気に奥行きを増した気がしました。
どんな編み方ができるようになっても、それでは追いつかないくらい、可能性は広がっているのだと、教えられた1冊です。
研究はどこまでもつづきそうです・笑