かぎ針編みで、棒針編みのメリヤス編みに似た編み地がつくれる「メリヤスこま編み」。
編み方自体はこま編みと同じですが、針を入れる位置が通常のこま編みと異なります。
前段のこま編みの目(足)の中央に針を入れて、こま編みと同じ要領で編むと、「メリヤスこま編み」になります。
英語で「Center Single Crochet」と呼ばれるあたりも、そのイメージに近いですね。
通常のこま編みは右に斜行しがちですが、メリヤスこま編みはこのように中央に針を入れることから斜行しにくいのもよいところ。
ここでは、そんな「メリヤスこま編み」の編み方を取り上げてみます。
動画の編み方解説
かぎ針編みの「メリヤスこま編み」の編み方を動画で解説しています。
動画では、通常のこま編み(輪編み)を土台に、メリヤスこま編みを編み進めています。
目の拾い方
針の入れ方はこれで合ってる?と思ったときのご参考に、どの糸を拾って編んでいるかを画像で補足解説します。

①これが前段のこま編みの目です。

②①と同じ画像で説明すると、ピンクで示した糸が、こま編みの右側の足。この糸が裏側につながっていて・・・→

③このピンクで示した糸が、それです。こま編みの右側の足につながっている糸です。こま編みの頭2本の奥にあります。

④こま編みの右側の足に針をかけて右方向に引っ張り、それと同時に針先を奥に差し込みます。

⑤針を入れるとこのように、3本の糸を拾った状態になります。ピンク矢印で示した糸が、先ほどの、こま編みの右側の足につながっている糸です。

⑥⑤の状態から針に糸をかけて、通常のこま編みを編むのと同じように、こま編みを編みます。これでメリヤスこま編みが編めました。
メリヤスこま編みの特徴
編み方と編み地
ここまでのご説明で、メリヤスこま編みは、編むときの針の入れ方が通常のこま編みと異なることがお分かりいただけたかと思います。
通常のこま編みで目の頭2本を拾うときはスーっと楽に針が入るのですが、メリヤスこま編みの場合はもう少し力が必要です。
実際に編んでみると、いかがでしょうか。
そんなちょっとした苦労はありますが、メリヤスこま編みでしか得られない編み地はかわいくて、達成感と満足感はたっぷり。
斜行しにくいので、編み込みなどで模様を作ったときの仕上がりも美しいです。
こま編みと同様にしっかりめの編み地が出来あがります。
編みやすい糸
動画では、チューブ状のすべりのいい太糸を使用しているのでスムーズに編むことができました。
はじめてメリヤスこま編みにトライされる際は、スムースで、糸割れしにくいむっちりした糸などが編みやすいかと思います。
ファンシーヤーンのような引っ掛かりの多い糸や編み目が見づらい糸は、通常のこま編みであれば苦労なく編めても、メリヤスこま編みになるとちょっと編みにくく感じることがあるかもしれません。
また、先ほども書きましたが、通常のこま編みより針が入りにくいので、手がきつくならないよう、かぎ針の号数を上げてゆったりめに編んでもよいかと思います。
いつものこま編みとの違いを、ぜひ楽しんでみてください!
