編み物好きのみなさんはお持ちかもしれないお道具、そして、初心者さんにとっては必須アイテムなのかどうか分からないかもしれないお道具、”ステッチマーカー”に焦点を当ててみます。
ステッチマーカーが活躍するシーンを踏まえ、いくつかのタイプのステッチマーカーの使い勝手を比較してみました。
Index -目次-
ステッチマーカーは必要か?
かぎ針編みをはじめたばかりの方は、かぎ針編みをする上でステッチマーカーは必須の道具なのか? という疑問がわくかもしれません。
私もそんな疑問がわくくらい、ステッチマーカーの出番がない時期がありました。
昔ながらのアイデアにならって、糸端を挟めたり結んだりしておけば目印にできちゃいますしね。
でも、あると便利な道具の一つだと思う場面もたびたび訪れたのです。そこでまずは、私が”ステッチマーカーは必要!”と感じたシーンをご紹介しますね。
目数を数えるときの補助
大物作品を編むときに作り目の数がくさり150目とか、200目のスレッドコードを2本編む(長さを揃えたい)、といった場合、数える目数が膨大ですよね。
150目のうち145目まで数えたところで分からなくなってしまった・・・なんてがっかりした経験が、私はあります。
そんなとき、切りのいい100目のところにステッチマーカーをつけておくと、数え直しは50目ですんでしまいます。
150目を数えるためにくさりに糸端を結んで印をつけたりするのは逆にけっこうな手間ですから、このようなシーンで手早くつけられるステッチマーカーは、あってよかった!な道具です。
見落とし・通り過ぎ対策
これも少し大きめの作品に言えることですが、1段の目数が多いのに増目の箇所が4か所しかないとか、そういった作品の場合です。
次の増目までの目数を数えながら編みたくない、と思いませんか?
そして、増目の箇所は見た目で分かるから、目数を数えずに次の増目まで編んでしまおう!となります。
でも実際編んでいると、次の増目の箇所が案外分かりにくくて、見落としたまま通り過ぎてしまったりするのです。結局ほどいてやり直し。
こんなときにもステッチマーカーが活躍してくれます。
マーカーを発見できれば増目箇所を見落として通り過ぎてしまうことはありません。
そして段が進んだら、ちゃちゃっと近くの段の増目箇所にマーカーをつけ直しておくと、遠くにあるマーカーを見落とす、ということも阻止できます。
こういうシーンでも、付け外しが楽だとうれしいですよね。
ステッチマーカーの種類と使い勝手
ステッチマーカーには2つのタイプがあります。
1つは、安全ピン型のステッチマーカー。普通の安全ピンは開閉部の反対側に丸いループ部分がありますが、ステッチマーカーにはこれがありません。
もう1つは、毛糸を隙間に通して取り付けるステッチマーカー。丸っこくてコンパクトなものをよく見かけます。
ステッチマーカーの使い勝手[心理編]
安全ピン型はピンが完全に閉じるので、編み物をしているうちに外れて落ちる心配がありません。引っ掛かりもないデザインなので、安心感は高いです。
隙間に通すタイプだってまず落ちるようなことはないのですが、隙間があるということは”絶対”落ちないとは言い切れない、という潜在意識がなくもないです。
よって心理的には、安全ピン型のステッチマーカーが有利になりそうです。
ステッチマーカーの使い勝手[操作編]
安全ピン型ステッチマーカーの操作を分解すると、①ピンの先を編み地に差し込む、②ピンの先を収めてロックする、という2ステップになります。
それに対し、隙間に通すタイプのステッチマーカーは、①マーカーの隙間に糸を通す、の1ステップ。
よって操作的には、隙間に通すタイプのステッチマーカーに軍配が上がりそうです。
ステッチマーカーの使い勝手[収納編]
隙間に通すタイプは薄くて小さいのに対し、安全ピン型はロック部分に厚みがあり、長さもあるので、コンパクトさにかけては前者が勝ります。
安全ピン型はお互いをつなぎ合わせて一体化させておけば、まとめてポンと道具箱やポーチに入れたりするときに便利です。隙間に通すタイプをつなぎ合わせるのは現実的ではないので、散り散りになってしまいます。
収納的には、どのように保管したいかによって有利不利が変わってきそうですね。
使いやすいポイント
では、実際に使いやすいステッチマーカーはどれなのでしょうか。
人によって好みが分かれることを大前提として、ここでは私が使ってみた感想をお伝えします。
私が最も使い勝手の違いを感じたポイントは、糸を付け外しする際のマーカーの”開き加減”です。この開きが大きいと、付け外しの際にストレスがありません。
道具は使うのが面倒になってしまうと出番が減りますよね。
当たり前のようではありますが、付け外ししやすいかどうかがネックでした。
よって、私のお気に入りは、だるま型ニットピンという、上の画像の右のタイプになります。
針も細くて編み地に通しやすいのです。この細さによって目立たないというデメリットもあるのですが、私は付け外しのしやすさ優先で、このピンを一番よく使っています。
左と真ん中のマーカーも、ポップな感じでかわいくて、クロシェッターな気分が高まるアイテム(これ大事)なので気に入っているんですよ。私にとっては、持っていることに満足するコレクション的な存在です。
ステッチマーカー選びの注意点
かぎ針編み初心者さん向けの情報になりますが、マーカーを選ぶ際の唯一の注意点を取り上げておきます。
ステッチマーカーに類するものがいくつかあって、目数リング、段数マーカーなど、ステッチマーカーと似たような意味合いのネーミングを見聞きすることがあるかもしれません。
これらの中には、棒針編みにしか使えないマーカーがあるので要注意です。
目数リングがそれに該当し、下の画像にあるようなリング状のマーカーです。
完全に輪が閉じているので、かぎ針編みにこれを使ってしまうと、あとからリングをはずせなくなってしまいます。
かぎ針編み用には、必ず隙間があるタイプか開閉できるタイプのマーカーを選んでください。
この点だけ気を付ければOKです!
番外編
手元にステッチマーカーがない、けど印を付けておきたい箇所が出てきてしまった! そんなとき、何か代用できるものを探したくなりますよね。
ページの冒頭で糸端を挟んでおく、とも書きましたが、その他の案としてはクリップなんかを使うこともできます。
付け外しはしづらいので、頻繁にマーカーの位置を移動させる場合はちょっと大変ですが、固定位置の目印としては代替策になってくれます。
あとは、類似品とも言える一般的な安全ピンです。
安全ピンのあの丸いループの部分に糸が挟まらないように気をつけてください。
まとめ
かぎ針編みにおいて、ステッチマーカーはどんなシーンで活用されるのか、マーカーの種類によって使い勝手に違いはあるのかなど、いくつかの視点からステッチマーカーを掘り下げてみました。
使用頻度は未知数でありつつ、いざという時に、持っていると便利な道具であることは間違いなさそうですよね。
ステッチマーカーを新調することがあれば、ご参考になさってください!