第6回では、短時間で編めるモチーフつなぎの作品を編んでいただきました。
細めの糸にも編み慣れたところで、第7回となる今回は、一緒にお花を編んでいきましょう!
かぎ針編みのお花は、平面的なものから立体的なものまで、世の中にはいろいろなタイプがあり、編み方のバリエーションも多様です。
今回編む作品は、写真にあるように少し立体的なお花になっています。
前回のモチーフと少し似た編み方をするところもあるので、応用としてぜひトライしてみてください。
編み図の全体は、ぱっと見、ちょっと複雑かもしれませんが、今回も、1段ごとに編み方を確認できる編み図をご用意しました。
こちらの編み図をもとに、1段ずつ、このページで解説しています。
動画でも、編みはじめから編み終わりまで、すべての編み方を見ることができますのでご安心ください。
ただ、かぎ針を持つのは初めてという初心者さんが、第1~6回を飛ばして、この作品を一番初めに編むのは少し大変なので、初心者コースのステップを追ってチャレンジしてみてくださいね(第1回と第6回は、これを編む前にやっておくことをおすすめします)。
こちらのお花、裏側にピンをつけてブローチにする以外にも、ヘアゴムにしたり、葉っぱをつけずに使ったり、逆に葉っぱをもう一枚増やしてみたりと、お好みに合わせてご活用いただけるとうれしいです。
第5回で編んだマルシェバッグのような、シンプルなバッグのワンポイントにしてもいいですね。
色違いでいくつか編んでおくと、その日のファッションに合わせてカラーコーディネートも楽しめそうです。
今回も短時間で完成させられる作品なので、自分用はもちろん、プチギフトとしても気軽に編めてしまいますよ。
では、第7回も一緒にかぎ針編みを楽しみましょう!
Index -目次-
まずは、道具と毛糸を用意しましょう
用意するものは?
今回の作品を編むにあたって、用意したものはこちら。
・中細毛糸 花:2g 葉っぱ:1g
・4号かぎ針
・とじ針
・ハサミ
・ブローチピン
今回私が使用した糸は、前回のモチーフつなぎの栞と同じ「パピー ブリティッシュファイン」です。
もしまだ残り糸がある方は、お色が合えばぜひ活用してみてください。
ウールのもしゃっとした風合いもあって、とってもかわいいです。
それ以外の糸でも、中細毛糸は種類が多くて入手しやすいので、お好みの風合いやお色の糸を探してみてくださいね。
どんなかぎ針がおすすめ?
今回も、前回と同様に使用糸が中細程度なので、かぎ針は3~5号くらいのイメージです(私は4号かぎ針を使用)。
細糸の場合、あまり手も疲れないので、かぎ針のタイプはお好みのものを使ってみてください。
手がきつくなってしまったときに1号くらい大きい号数に変えられるよう、号数のバリエーションが多少あると便利そうです。
どんな太さの糸がおすすめ?
最初から細糸で編むのが難しく感じられるときは、並太くらいの太めの毛糸で試し編みしてみるのもおすすめです。
使用糸として記載している中細程度の毛糸の場合は、小ぶりに仕上がるのでブローチとして程よいサイズ感になります。
用途やお好みに合わせて、糸の太さを選んでみてください。
どんな素材の糸がおすすめ?
細めで、あまり柔らかすぎる糸だと、慣れるまでちょっと編みにくので、細糸を使う場合は、適度に張りのある毛糸がおすすめです。
あと、冬糸だと、風合いがとってもかわいいモヘア糸なども魅力的ですが、編み間違ったときにほどくのが大変・・・という一面も。少し手が慣れてからがいいかもしれません。
ちょっと硬めの夏素材の細糸もいろいろあるので、季節に合わせた素材で楽しんでみてください。
どんな色の糸がおすすめ?
今回の作品は、どこに針を入れて編むか、目の位置を探したり確認したりすることがあります。
そんなとき、明るい色の太糸だと見やすいので、ちょうどよい余り糸があれば、試し編みしてみてもいいですね。
そして、最初から細糸を使って編む場合は特に、明るめのお色を選んでおくと安心です。
一度編むと要領がつかめるので、慣れたらぜひお好みのお色で編んでみてください。
作品と作り方を見てみましょう
第7回目にお花ブローチ カメリアを選んだのはなぜ?
これまで、初心者コースの作品としてファッションアイテムを編んだことがなかったので、今回は色づかいも楽しめるブローチにしてみました。
インテリア小物からバッグ、そして身につけられるプチアイテムまで、かぎ針編み作品のバリエーションを感じていただけるとうれしいです。
そしてこちら、前回のモチーフ作品を応用したような編み方でもあるので、今回のちょっと複雑な編み図も、目に入ってきやすいかなと。
作品のサイズはどれくらい?
今回の作品は、次のようなサイズ感になります。
・お花:直径3.5cm
・葉っぱ:縦2.5cm × 横5.3cm
お花に葉っぱをつけたときのサイズは、つけ方にもよりますが、だいたい横6.5cmくらいです。
お花ブローチ カメリアはどう編むの?
葉っぱは、くさりの作り目で編みはじめ、編み目の高さが異なる編み方をしながら、葉っぱ型になるように編み進めていきます。
お花は、くさりを輪にした作り目で編みはじめ、毎段異なる編み方をします。
実際に編んでみると、こうやって編むと花びらになるんだなぁ、という感覚が、何となく分かってくるかもしれません。
最初、編み図を見ただけではピンとこなくても大丈夫です!
動画を見ながら一緒に手を動かしてみましょう。
編み図は、復習がてら見直してみる、くらいの気持ちでOKですよ。
この作品のポイントは何ですか?
編み終わってみると、お花の形になっている!という、仕上がったうれしさや達成感を感じていただければいいなぁ、というのが、この作品の一番のポイントです。
お花ってやっぱりかわいくて、できあがるとうれしいんですよね。
今回のお花は、使いやすい程度にほどよく立体的で、花びらの巻きがきれいに見えるデザインを意識してみました。
そして、編み方が複雑になりすぎないよう工夫したつもりです。
編み図はどう見るの?
▶編み図はPDFファイルをご用意しています。
お花ブローチ カメリア 編み図
まずはこちら、葉っぱの編み図になります。
今回の作品は、編みやすい葉っぱから先に編んでみましょう。
次が、お花の編み図になります。
お花の編み図は、こうしてすべての段を一度に見ると、どの段でどこを編むのかが分かりにくいので、1段ごとに見ることのできる編み図をご用意しました。
このあと、1段ごとの編み図を見ながら、編み方を説明していきますね。
・編み図記号の意味は?
今回の編み図に登場する記号は、次の6種類です。
くさり編み
引き抜き編み
こま編み
長編み
長々編み
糸を切る
これまでと同様に、数字と矢印は段数と編む方向を示しています。
今回は、編み図では平面的に表されていますが、編み図を見た通りに編むと、実際の編み地は立体的に仕上がっていきます。
・葉っぱの編み方
葉っぱは、くさり14目で作り目をして編みはじめます。
1段目は、くさり1目で立ち上がってこま編み1目を編んだら、つづけて中長編み1目→長編み2目→長々編み5目→長編み2目→中長編み1目→こま編み1目→引き抜き編み1目、と編みます。
ここまでが1段目の前半になります。
1段目の前半はすべて、作り目のくさりの向こう側1本と裏山を拾って編みます。
折り返し地点でくさり1目を編んだら、1段目後半に入ります。
後半は、前半で拾わなかった、作り目のくさりの残り1本を拾って編みます。
前半とは対称な編み方になるので、最初は引き抜き編みを1目編むところからはじまります。
引き抜き編みをするときに、針を入れる場所に気をつけましょう(動画をご参考に)。
ここがちょっと分かりにくいかもしれませんが、きれいに尖った葉先になるのでがんばってみてくださいね。
つづけて、こま編み1目→中長編み1目・・・と、編み進めていき、最後のこま編みを編んだら、くさり2目を編んで、1段目最初のこま編みの目に針を入れて引き抜き編みをします。
これで葉っぱが完成です。
・お花:作り目のしかたについて
編みはじめは、くさり4目を編んで最初のくさりに引き抜き、輪にします。
これが作り目になります。
編み図では、中心に書かれているくさり4目と引き抜き編みの記号で表されています。
この作り目のしかたは、初心者コース第1回で編んだコースターの作り目と同じです。
・お花:1段目の編み方
1段目は、くさり1目で立ち上がってこま編みを1目編みます。
1段目のこま編みを編むときは、作り目のくさりの輪に針を入れて(作り目のくさりを束にすくって)編みます。
こま編み1目→くさり3目、を繰り返しながら1周し、最後のくさり3目を編んだら、最初のこま編みの目に針を入れて、引き抜き編みをします。
・お花:2段目の編み方
2段目は、くさり4目で立ち上がり、すぐ根元(前段の最初のこま編み)に長々編み1目を編み入れます。
次は、前段の2つ目のこま編みに針を入れ、長々編みを2目編み入れます。
同様に、前段のこま編みの目に、長々編みを2目ずつ編み入れていきます。
最後の長々編み2目が編めたら、つづけてくさり4目を編み、前段の1つ目のくさり3目のループを束にすくって引き抜き編みをします。
これで2段目が完成です。
・お花:3段目の編み方
3段目は、くさり1目で立ち上がって、前々段のくさり3目のループを束にすくって、こま編みを1目編みます。
つづけてくさりを3目編んだら、前々段のくさりループを束にすくってこま編みをします。
これを繰り返し、最後のくさり3目を編んだら、3段目最初のこま編みの目に針を入れて、引き抜き編みをします。
・お花:4段目の編み方
4段目は、くさり3目で立ち上がり、すぐ根元(前段の最初のこま編み)に長編み4目を編み入れます。
つづけて、前段のくさり3目のループを束にすくって、こま編みを1目編みます。
前段のこま編みに針を入れ、長編み5目を編み入れます。
これを繰り返し、前段最後のくさりループにこま編み1目を編んだら、4段目の立ち上がりのくさりに針を入れて、引き抜き編みをします。
・お花:5段目の編み方
5段目の編みはじめは、編み図ではちょっと分かりにくいかもしれませんので、動画解説もご参考になさってください。
5段目の編みはじめは、3段目のくさりループを束にすくって引き抜き編みをします。
そこからくさり1目で立ち上がり、同じくさりループをもう一度束にすくって、こま編みを1目編みます。
つづけてくさり3目を編んだら、前々段(3段目)のくさりループを束にすくってこま編みを1目編みます。
これを繰り返し、最後のくさり3目を編んだら、5段目最初のこま編みの目に針を入れて、引き抜き編みをします。
・お花:6段目の編み方
6段目は、くさり4目で立ち上がり、すぐ根元(前段の最初のこま編み)に長々編みを4目編み入れます。
つづけて、前段のくさりループを束にすくって、こま編みを1目編みます。
前段のこま編みに、長々編み5目を編み入れ、前段のくさりループを束にすくってこま編みを1目編みます。
これを繰り返し、最後のこま編み1目を編んだら、6段目の立ち上がりのくさりに針を入れて、引き抜き編みをします。
これで6段目が編み終わり、お花パーツが完成です。
・お花に葉っぱを縫い付ける
お花が完成したら、下の画像のように、お花の裏側に葉っぱを縫いつけます。
用途に合わせてブローチピンなどをつけてくださいね。
では、実際に編んでみましょう!
編み方動画はこちら
葉っぱとお花を完成させる手順を動画で解説しています。音声なしの字幕つき動画です。
初心者コース第1回~第6回の動画でご説明したステップは、説明を省略している場合がありますので、ぜひ他の回もご覧になってみてください。
また、今回の解説動画は34分と長めですので、分かりにくい箇所だけ動画で確認していただいてもよいかと思います!
葉っぱ:1段目の前半と後半が〝対称〟になっているかチェック!
葉っぱの注意点は、1段目の前半と後半で編んだ目が対称になっているかどうか、ということです。
折り返し地点でくさりを1目編んだあと、後半の引き抜き編みをする際に、針を入れる位置が少し分かりにくいので、気をつけましょう。
もし、後半を編んでみて対称になっていなかったら、この引き抜き編みを編み入れる位置がズレている可能性が高いので、確認してみてください。
お花:2段目の編み終わりに気をつけて!
2段目は、編み図で見ると分かりにくいかもしれないので、動画も参考にしてみてください。
編み方の操作自体は難しくないのですが、2段目の編み終わりは、この作品独特の編み方になっていて、他の作品では見かけないやり方かなと思います。
お花:5段目で針を入れる位置をよく確認しましょう!
5段目も、この作品の編み方の中で分かりにくい部分なので、動画で確認してみてください。
編むときの操作は、こま編みとくさり編み、というシンプルさなのですが、目の拾い方がちょっと変わっています。
動画でゆっくり解説していますので、一時停止したりしながら、一緒に編んでみてくださいね。
ここでも、画像付きで5段目の編み方をご説明します。
お花モチーフはアレンジできる?
今回の作品は、お花も葉っぱも、それぞれがこの編み方で完結しています。
そのため、編み方をアレンジするタイプの作品ではないのですが、完成した作品の活用をいろいろ考えて楽しんでいただけるとうれしいです!
お花だけを連ねて飾ってみたり、水玉模様の代わりにワッペンのように貼ってみたり、お子さまアイテムのワンポイントとしてもいいかもしれません。
また、使用糸を工夫して、2色の違う糸を引き揃えて編んでも面白い風合いになりそうですね。
ちょっと太めの糸を引き揃えたら、コサージュのような迫力が出るかもしれません。
使って楽しめそうな、マイ・カメリアをぜひ編んでみてください!
みなさんの作品
まろたんさんの「お花ブローチ カメリア」
お花、5回目でやっとうまくできました。可愛くできて嬉しいです。仕組み、理屈がわかれば難しくないんですね。とっても楽しいです!少し前に編んだ帽子につけてみました。もっといろんなものを編みたいです。