かぎ針編みに挑戦してみたい!という初心者さんと一緒に、かぎ針編みの定番小物を編みましょう、という企画です。
初心者さんにも分かりやすいよう、動画解説もご用意していますので、ぜひ気軽にトライしてみてください!
さて、第1回は定番中の定番、小さくても実用的で、編むのも楽しいコースター。
練習がてら、色を変えて何枚か編んでいただくにもちょうどよいアイテムです。
さて、こちらのネーミングについてちょっと触れますと・・・私は札幌っ子なので子どもの頃は家族でスキーに行ったりしたのですが、そんなときに、安心して滑れそう!と感じた「初心者コース」というのを思い出し、こんなタイトルにしてみました。
第2回以降も、ゆっくり連載していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
Index -目次-
まずは、道具と毛糸を用意しましょう
用意するものは?
今回の作品を編むにあたって、用意するものはこちら。
・並太程度の毛糸 1玉
・7号かぎ針
・とじ針
・ハサミ
私が今回使った糸は「ダルマ 原毛に近いメリノウール」です。
使用するかぎ針の目安が7~7.5号とのことなので、7号かぎ針を使って作品を編んでいきます。
100円ショップでも毛糸やかぎ針が手に入るので、お試し感覚で材料を調達してみて、楽しめるようだったら徐々にいろいろ揃えていくというのもよいかと思います。
どんなかぎ針がおすすめ?
今回は並太くらいの太さの毛糸を使うので、7号かぎ針か、手がきつくなってしまいそう(ものを作ったりするとき手に力が入ってしまいそう)な方は、一つサイズの大きい8号かぎ針もあれば、なお安心です。7号と8号がセットになった両かぎ針(先端が両方かぎ針になっているタイプの金属製かぎ針)も便利ですよ。
私はあまり手がきついほうではないので、普段から並太は7号、極太は8号かぎ針で編むことが多いです。
7号かぎ針は、かぎ針編みのバッグや帽子などを編むときなどにも使えるので、1本あると何かと出番が多い、おすすめのサイズです。
どんな太さの糸がおすすめ?
はじめは、糸が太いほうが編みやすいので、並太~極太あたりの太めの毛糸がおすすめです。
今回のコースターは、手がきつかった場合に8号かぎ針に号数を上げて編めるように、並太程度の毛糸をチョイスしました。
どんな素材の糸がおすすめ?
毛糸の素材も、ウール、コットン、アクリル、麻など、いろいろあります。最初は、硬めの糸だと手にいっそう力が入って疲れてしまうかもしれないので、柔らかくて張りのある糸がおすすめです。今回はウール糸を使って編んでいきます。エコたわしとして使いたい場合は、アクリル毛糸で編んでもいいですね(青緑色の作品はアクリル毛糸で編んだサンプルです)。
どんな色の糸がおすすめ?
編んでいる途中で編み目の数を数えたりするので、明るめの色が見やすくておすすめです。黒っぽい糸だと、特に夜などは編み目が見づらいことがあります。
作品と作り方を見てみましょう
最初にコースターを編むのはなぜ?
コースターは編む段数が少なくて、あまり時間をかけずに完成させることができます。かぎ針編みをやってみたい!というホカホカした気持ちに対して、すぐに達成感のリターンがあるのはうれしいですよね。
私も一番最初に編んだのは小さなモチーフでした。完成したときのうれしさは、小さい作品でも十分!色を変えて、いくつも夢中で編んだ記憶があります。
コースターも、実際に使おうと思うと、いくつも編みたくなる作品ですよね。編んだものを使うのも楽しさのひとつ。
そんな気持ちから、最初の作品にコースターを選びました。
作品のサイズはどれくらい?
私が編んだコースターのサイズは直径10cm。長編み1段の高さが1.3cmほどです。糸の使用量も4.5gとほんのわずか。今回使用した30gの毛糸が1玉あれば、単純に計算して6枚くらいは編めるかと思います。
コースターはどう編むの?
今回作るのは、輪編みのコースターです。ぐるぐると編んで、円の編み地がだんだん大きくなっていくイメージです。
円の部分はすべて「長編み」で編みます。
円が編めたら、つづけてふち編みをします。ふち編みも「長編み」がベースになっている模様編みです。
ふち編みが終わったら、糸を切り、糸処理をして完成させます。
・なんで長編みの作品なのですか?
かぎ針編みというと、バッグや帽子、あみぐるみなど、こま編みを使った作品をイメージされる方が多いかもしれません。編めるようになってしまうと、こま編みはとても編みやすい手法なのですが、はじめはちょっと分かりにくいところもあります。
こま編みと長編みの容易さを比較するわけではないのですが、今回長編みを選んだ理由は、一つひとつの編み目が見やすいから。
毎段、目数を数えて確認したいので、目数を数えやすいというのは大事なポイントになります。
そして、このあと説明しますが、毎段の編みはじめは他の目と違う編み方をするので、その目の見方も長編みは分かりやすいのです。
かぎ針編みをどんどんつづけていくと、長編みの素敵な模様編みをたくさん目にすると思いますので、ぜひマスターしてくださいね。
編み図はどう見るの?
こちらが今回編むコースターの編み図です。ふち編みは、分かりやすいように青い記号にしました。実際に編みはじめる前に、編み図の見方をざっとご説明します。
・編み図記号の意味は?
この編み図に登場する記号は、次の4種類です。各段に入っている数字は何段目かを表し、矢印は編み進めていく方向を表しています。
引き抜き編みの記号は、どれも段の編み終わりにつけられています。これは、段の最後の目を編み終えたら、その段の最初の目に針を入れて引き抜き編みをする、ということを表しています。
くさり編み
引き抜き編み
長編み
こま編み
・作り目のしかたについて
編み図の中心に書かれている4つのくさり編み記号と、黒い引き抜き編み記号。これが作り目になります。
くさりを4目編み、最初の目に引き抜き編みをして、くさりを輪にしています。
輪編みというと「わの作り目」が一般的かもしれませんが、初めてだとわの作り目はいろいろな加減が難しかったりするので、今回はくさりを輪にした作り目にしてみました。
作り目のくさりは編みくるんでしまうので、多少ねじれたり、針を入れる場所が違ったりしても問題ありません。それくらい気軽に考えて編んでみてください。
・コースターの編み地の編み方
ふち編み以外はすべて長編みで編みます。
作り目のくさりの輪の中心に針を入れて、くさりをまるごとすくって(束[そく]にすくうと言います)1段目を編みます。1段目は16目、2段目はその2倍の32目(16目増えます)、3段目も16目増えて48目になります。
2段目は、すべて長編みを2目ずつ編み入れています。3段目は、1目おきに長編みを2目編み入れています。
こうやって増し目をしながら編んでいきます。
・ふち編みの編み方
青い記号がふち編みになります。こま編みを編んだら、1目あけて長編みを4目編み入れています。この長編みは、前段の同じ目に4回針を入れて編みます。次はまた1目あけてこま編み、といった具合に、同じことを繰り返しながら1周します。
では、実際に編んでみましょう!
編み方動画はこちら
毛糸やかぎ針の持ち方から編み終わりの糸処理まで、コースターを実際に編む手順をすべてご説明しています。音声なしの字幕つき動画です。
25分程度ありますので、お時間のあるときにでも、ぜひごゆっくりご覧ください。
糸の使いはじめは?
糸は、糸玉の中心に隠れている糸端を探し、それを取り出して編みはじめるのがおすすめ。編んでいるときにコロコロと転がりにくいからです。
毛糸によっては、中心の糸端が見つけにくくて、うまく引き出せないものもありますので、そんなときはボコッとかたまりで取り出してしまうことになったりも・・・するのですが、糸玉の表面から糸端を取って編みはじめるより、あとあと楽ですよ。
必ず毎段、目数をチェック!
1段編み終えるたびに、必ず目数を確認してください。目数が編み図の通りになっていないと、次の段を編むときに数が合わなくなってしまいます。もし、ふち編みをしてみたら目数が合わない!ということになると何段もほどかなくてはならず、がっかりしてしまいますよね。それを防ぐためにも、1段ごとに目数を数えておきましょう。
・目数の数え方は?
編み目の1目は、どこを見ればよいかを画像でご説明します。こちらを参考に、編み地の目を数えてみてくださいね。
編み終ったら
編み終わりの処理の方法はいくつかありますが、こちらのコースターは、編み終わり箇所が目立たないよう、引き抜き編みのあと、そのまま糸端をすーっと引き抜いています。その他の方法は「編み終わりと糸処理」のページで詳しくご説明していますのでご参考になさってください。
糸を引き抜いたあと、編み地の裏側で目立たないように糸処理をします。
・中心を引き締めたいときは?
くさり4目を輪にして編みはじめたので、中心に小さく穴が開いています。これが気になるときは、糸処理の際に下の画像のように1段目の長編みの中に糸をくぐらせて、1周したら糸を引いて絞ってください。そのあと、また近くに糸をくぐらせて、糸端が抜け出ないように糸処理をしてくださいね。
編んでみて、こんな困りごとありませんか?
サイズが小さくなってしまいます
A1.手がきついのかもしれません
サイズが小さくなってしまう場合に考えられることはいくつかあります。まずは、手がきついこと。これは個人差があるので良し悪しではありませんが、編み慣れてくると肩の力が抜けて、自分なりに編みやすい手加減に落ち着いてくるかもしれません。一番手っ取り早い調整方法は、かぎ針の号数を一つ上げてみること。もし7号をお使いであれば、8号かぎ針で編むともう少し大きめサイズにすることができます。
A2.毛糸が細めだったのかもしれません
毛糸の表示に「並太」と書かれていても、糸によって太さに多少ばらつきがあります。お使いの糸がちょっと細めだったため、サイズが小さくなってしまったのかもしれません。今回の作品は、長編みの段を何段編んでもふち編みがぴったり合うようになっていますので、もう一段、長編みの段を足して、4段目まで編んでみてはいかがでしょうか。3段目は1目おきに長編み2目を編み入れましたので、4段目は2目おきに長編み2目を編み入れていけばOKです。
A3.長編みの高さが足りないのかもしれません
あと考えられる原因としては、長編みの目の高さが足りないかもしれないということです。長編みを編むときの糸の引き出し加減によって1目の高さがけっこう変わってしまうので、引き出し方が足りないと長編みの高さが出ず、サイズが小さくなってしまいます。長編みの高さの目安は、くさりの3つ分です。このようなイメージも持ちながら、ちょっと気をつけて編んでみるとよいかもしれません。
サイズが大きくなってしまいます
A1.手がゆるめなのかもしれません
サイズが大きくなってしまう原因としては、編むときの手加減がゆるめであることが考えられます。もし思い当たるようであれば、ちょっときつめに編んでみるか、かぎ針の号数を一つ下げて、7号をお使いであれば、6号かぎ針に変えて編んでみるのもよいかもしれません。
A2.毛糸が太めなのかもしれません
同じ「並太」でも、毛糸によって太さに違いがあります。
例えば、色違いのサンプルとして編んだ青緑色の作品(下の写真)。こちらに使用した毛糸も、商品の表記としては「並太」となっていますが、実際は極太くらいの太さがあって、完成した作品も大きめサイズです。
サイズを小さくしたい場合は、長編みの段を2段目まででやめて(それでもふち編みは目数が合います)、ふち編みで編む長編みの数を4目から5目に増やしてみてください。
こちらの画像の右側が、そのアレンジサンプルです。ただ、逆にコースターサイズよりちょっと小さくなってしまうかも・・・
編み地が平らになりません
A.スチームアイロンをかけてみましょう
編むときの手加減や編み地の性質によって、多少編み地が広がってしまったり、そり返ってしまったりと落ち着かないことがあります。
そんなときは、編み地の端を待ち針で何か所かとめて、スチームアイロンを浮かせてかけてみてください。編み地に蒸気だけを当てる感じでかけます。別ページ「そり返ったとき、ねじれたときは?」でも詳しく解説していますのでご参考になさってくださいね。