第1回のコースターにつづき2回目となりました。
かぎ針編みに挑戦してみたい!という初心者さんと一緒に、かぎ針編みの定番小物を編みましょう、という企画です。
今回も、初心者さんに分かりやすいよう動画解説をご用意していますので、ぜひまたトライしてみてください!
さて第2回は、こちらも定番の袋もの、使いみちを考えるのも楽しい巾着ポーチです。
これまでにも、当サイトのフリーパターンとして巾着のレシピをアップしていますが、プレゼント用に編まれる方も多いアイテムですね。
シンプルな編み方とほどよい所要時間、そして実用的なサイズ感に仕上がるので、完成すると達成感があります。
ゆっくりペースの連載ではありますが、「初心者コース」を終えたらかぎ針編みができるようになっていた!と言っていただけるような内容を目指して、引きつづき考えてまいりますので、おつきあいよろしくお願いいたします。
Index -目次-
まずは、道具と毛糸を用意しましょう
用意するものは?
今回の作品を編むにあたって、用意するものはこちら。
・並太程度の毛糸 1玉
・7号かぎ針
・とじ針
・ハサミ
第1回と違うのは、使用糸だけです。
下の写真には5号かぎ針も写っていますが、こちらは水色の巾着のひもを編む際に使いました。
きゅっと細めのひもにするために使用針の号数を小さくしたのですが、そのまま7号かぎ針を使っていただいても大丈夫です。
さて、今回使った糸は「ダルマ リネンラミーコットン」(50g玉巻・約102m)。
使用するかぎ針の目安が7号とのことなので、7号かぎ針を使って作品を編んでみました。
違う糸を使う場合にも、7号かぎ針で編む並太程度の毛糸をイメージして探していただくと、完成サイズが近くなるかと思います。
どんなかぎ針がおすすめ?
初心者コース[第1回]のページに同様の説明がありますので、ご参考になさってみてください。
今回使用する糸は綿麻素材のため、ウールの毛糸より少々硬めの感触です。
硬めの糸で手に力が入ってしまう場合にグリップ型のかぎ針を使ったほうが手が楽、という方もいらっしゃるかと思うので、もしそのようなタイプのかぎ針をお持ちでしたら試してみてもいいですね。
どんな太さの糸がおすすめ?
初心者コース[第1回]で、かぎ針編み初心者さんは糸が太いほうが編みやすいですよ、と並太~極太あたりの太め毛糸をおすすめしました。
やはり並太程度の糸は編みやすく、編み目も見やすいのは確かですが、何度か編み物をして手が慣れてきた方は、お好みに合わせてちょっと細めの糸を使って編んでみるのもよいかもしれません。糸が細くなると編み地もちょっと薄手になるので印象が変わりますよ。
今回は巾着なので、糸の太さを変えるとサイズが変わって、それも楽しさの一つかなと思います。
どんな素材の糸がおすすめ?
今回の巾着は、デザインがシンプルなので、毛糸の素材を変えて編むのも楽しい作品です。
季節に合わせて、春夏シーズンはコットンやリネン素材の毛糸、秋冬シーズンはウール糸、などお好みの素材の糸で編んでみるのもいいですね。
コットンやリネンの場合、よりがしっかりしていて、糸割れしにくい糸が編みやすく、ウールなどの冬糸の場合は、やわらかすぎずある程度の張りがある糸のほうが、完成後に形が崩れにくくて使いやすいかと思います。
どんな色の糸がおすすめ?
今回も、底を編むときなどは特に、毎段目数を数えて確かめながら進めていくので、明るめの色が見やすくておすすめです。もし暗めのお色で編むときは、夜よりも昼間の明るい時間帯が編みやすいかと思います。
編み目を見たり数えたりするのに慣れてきたら、ぜひお好みのお色で!
2色の糸を引き揃えて(2本の違う糸を一緒に)編んだり、ファンシーヤーンで編んだりしても面白い表情になりそうです。
作品と作り方を見てみましょう
第2回目に巾着ポーチを選んだのはなぜ?
前回のコースターは短時間で完成させられるアイテムでしたが、第2回目の今回は、それよりもちょっと時間をかけて、達成感のあるアイテムを選んでみました。
編みながら、完成したら何を入れよう、なんて考えるのも楽しいひと時です。
家族やお友達へのプチギフトに、手づくり作品を添えてみるにもちょうどよいサイズ感と所要時間ではないでしょうか。編み物の楽しさをおすそ分けできるし、もらってよろこんでくれる方も多いかと思います!
編んで、使って、贈って楽しいアイテム、そんな想いで今回は巾着ポーチを選びました。
作品のサイズはどれくらい?
私が編んだ巾着は高さが16~17cm、巾着の口を平らに測って横幅15cmくらい。
長編み1段の高さが1.1cmほどです。糸の使用量は約43g。
今回使用した50gの毛糸1玉だと、編み終わったあと糸が少し残って、残り糸でちょうど第1回のコースターが1枚編めました。
ちなみにピンク色の小さめ巾着は、今回使用した並太よりちょっと細い中細糸のコットン糸を使用したサンプルになります。サイズ感のご参考になさってください。
巾着ポーチはどう編むの?
今回作るのは「輪編み」の巾着ポーチです。
底からぐるぐると増し目をしながら編んでいき、底がある程度のサイズになったら、側面は目数を変えずに編んでいく、というステップになります。
本体は、巾着口のふち編み以外はすべて「長編み」と「くさり編み」で編みます。
ふち編みが終わったら、糸を切り、糸処理をして本体を完成させます。
巾着ひもは「スレッドコード」という編み方をするのですが、この手法は比較的よく使われるので、覚えておくと便利ですよ。
・なんで今回も長編みの作品なのですか?
第1回で、長編みは編み目の一つひとつが見やすいので、目数を数えやすいですよ、と書かせていただきました。
今回は「輪の作り目」をして編んでいくのですが、この「輪の作り目」も、こま編みよりも長編みのほうが断然分かりやすいです。
「輪の作り目」をして編むこま編みは、あみぐるみなどでも見かける大変メジャーな編み方なのですが、どこに針を入れて編むのか、どこを1目として数えればよいのか、といったあたりが難しいのですよね。
なので、かぎ針編みの基本でもある「輪の作り目」をするにあたって、まずは長編みでトライしてみましょう!
編み図はどう見るの?
▶ 編み図のPDFファイルもご用意しています!
今回の編み図はこちらです。
平面的な編み図ですが、この編み図が表すとおりに編むと、立体的な巾着ポーチが完成します。
では、記号の見方からご説明していきますね。
・編み図記号の意味は?
上の編み図に登場する記号は、次の3種類です。
各段に入っている数字は何段目かを表し、矢印は編み進めていく方向を表しています。
引き抜き編みの記号が、毎段の編み終わりにつけられています。これは、段の最後の目を編み終えたら、その段の最初の目に針を入れて引き抜き編みをする、ということを表しています。
そしてもう一か所、編み図の外周に引き抜き編み記号が並んでいます。ここは最後に編む巾着口になります。
引き抜き編みをして、ふちが伸びてしまわないように補強しています。
くさり編み
引き抜き編み
長編み
・作り目のしかたについて
編み図の中心に書かれている『〇』が、「輪の作り目」を表しています。
輪の作り目は、言葉の説明では分かりにくいかと思いますので、動画をご覧になってみてくださいね。
1段目は、輪の作り目をしてくさり3目で立ち上がり、長編み2目、つづけてくさり2目を編みます。そして、長編み3→くさり2→長編み3→くさり2→長編み3→くさり2→立ち上がりのくさりに引き抜き編み、といった流れで1段目を編みます。
・巾着底の編み方
巾着底は、長編みとくさり編みで、毎段4つの角で増し目をしながら編みます。
前段で編んだ角の「くさり2目」をまるごとすくって(束[そく]にすくうと言います)、長編み2→くさり2→長編み2、と編むことで角の増し目ができます。この要領で2~3段目を編みます。
4段目の角では、前段のくさり2目を束にすくって、長編み1→くさり1→長編み1、と編みます。
・巾着の側面の編み方
5~14段目は、角で増し目はせずに、目数の増減なく編みます。
角のくさり1目が、編み地のワンポイントになっているイメージで編み進めてみてください。
・ひも通し位置の作り方
15段目は、巾着ひもを通せるような編み地にしています。編み方を少し変えて、1目おきに長編みとくさり編みを繰り返しながら1周します。
15段目は、角のくさり1目の位置と模様を合わせるために、編みはじめ位置を1目分ずらして編みはじめています。編み図の見方を具体的に説明すると、14段目の最後の引き抜き編みをしたあと、1つ左の目に引き抜き編みをして、そこからくさり3目で立ち上がって15段目を編みはじめる、という編み方になります。
16段目の長編みを編むときは、前段のくさり目はすべて束にすくって編みます。
17段目を編み終えても、糸は切らずにつけておいてくださいね。
・ふち編みの編み方
17段目を編み終えたら、その糸でつづけてふち編みをしていきます。
ふち編みといってもシンプルで、17段目のすべての目に、一つひとつ引き抜き編みをしながら1周すれば完成です。
このとき、前段(17段目)の目の頭の向こう側1本だけをすくって引き抜き編みをします。
ぐるっと1周して、最後の引き抜き編みが終わったら糸を切ります。
・巾着ひもの編み方
編み図からは離れますが、巾着ひもは「スレッドコード」という編み方で作っています。編み方は動画でご説明しますね。
グレーの巾着のひもは7号かぎ針を使用して130目、水色の巾着のひもは5号かぎ針で150目編んでいます。目数は自由にアレンジしてみてください。
同じものを2本編んで、糸端を20cmくらい残しておきます。
それぞれひも通し位置に通し、糸端にとじ針を通して両端をつなぐように縫いとめてから糸処理をして糸を切ります。
ひものとめ方は特にルールはありませんので丈夫にとまればよいかと思います。糸端1本ずつを、目立たないように一度かた結びしてからスレッドコードにくぐらせて糸処理してもいいですね。
では、実際に編んでみましょう!
編み方動画はこちら
輪の作り目からスレッドコードまで、巾着ポーチを完成させる手順を動画で解説しています。音声なしの字幕つき動画です。
第1回の動画でご説明したステップは、説明を省略していますので、ぜひ第1回からご覧になってみてください。
今回の動画も22分ほどありますので、お時間にゆとりあるときにでも、ごゆっくりご覧ください。
輪の作り目にチャレンジ!
「輪の作り目」ができるようになると、作品づくりの幅がぐっと広がります。
動画でゆっくりとご説明していますが、巻き戻ししたりしながら、慣れるまで何度か繰り返し手元の動きを確認してみるとよいかと思います。
最初に指にかけて作る糸の輪が大きすぎても小さすぎてもやりにくいので、ご自身でやりやすいサイズ感を見つけてみてくださいね。
糸の輪に編み入れていくあたりの感覚は、長編みのときもこま編みのときも一緒ですよ。
1~4段目は特にお忘れなく! 必ず毎段、目数をチェック
1~4段目は4つ角で目を増やしているので、1周したときの目数が毎段変わります。
なので、1段編み終えるたびに、必ず目数を確認してくださいね。
目数が編み図の通りになっていないと、次の段を編むときに数が合わなくなってしまいます。目数が合わないまま編み進めてしまい、ひも通し箇所を作る15段目になってから目数が合わない!となるとショックなので、4段目を編み終えたときに目数が正しいかどうか、必ず確認しておいてください。
ポーチ本体を編み終ったら
編み終わりの処理の方法はいくつかありますが、こちらの巾着ポーチは、編み終わり箇所が緩んでこないよう、ループの中に糸端をくぐらせて引き締めています。
この方法については「編み終わりと糸処理」のページでも詳しく説明していますのでご参考になさってください。
糸端は編み地の裏側で目立たないように糸処理をしてくださいね。
スレッドコードで巾着ひもを作る
詳しくは動画で解説していますが、スレッドコードを編むときは、最初に、作りたい長さの3倍の糸をあらかじめ引き出しておきます。
今回の巾着ひもの全長は約55cm。なので、165cmくらいの長さの糸を引き出しておきます。
引き出しておいた糸と、糸玉につながっている糸との2本を同時に使いながらスレッドコードを編んでいきます。
・スレッドコードの編み方
親指側の糸は、最初に用意しておいた「編みたい長さの3倍の長さの糸」につながっています。
もう一方の、人差し指側の糸は糸玉につながっています。
編んでみて、こんなアレンジしたくなりませんか?
もっと大きなサイズに編んでみたいです
A.巾着のサイズを大きくすることは可能です!
若干のサイズ調整であれば、使用するかぎ針の号数を上げたり、太い毛糸を使ったりすることで解決できます。
もっとサイズを大きくしたい場合は、巾着底を編む際に増し目をする段数を増やすことで、サイズを変えることが可能です。底の増し目を続けて底を大きくすることで、側面の目数も増えますので、全体的にサイズを大きくなります。
元の編み図では、底の増し目をする2~3段目の4つ角で「長編み2→くさり2→長編み2」と編みました。これと同じ要領で、4段目以降も4つ角で同様に増し目をすることで、底で増し目する段数を増やすことができます。そして、底の増し目を終えた次の段で、元編み図の4段目の4つ角と同様に「長編み1→くさり1→長編み1」と編んでください(これを編まないとひも通し位置で目数が合わなくなります)。それ以降は、元編み図の5段目以降と同じく、目数の増減なく編みます。
巾着ひもの長さは、スレッドコードの目数を増やせばよいので、必要に応じて調整してみてくださいね。
もっと小さなサイズに編んでみたいです
A.糸を細くするのがおすすめです
逆にサイズを小さくする場合は、編み図はそのままで、糸を細くするのがおすすめです。
今回の作品例では並太程度の糸を使用しましたが、糸を中細、合細、極細、レース糸・・・と変えてかぎ針の号数を下げることで、巾着のサイズを小さくすることができます。
元編み図で、底の増し目をする段が少ないので、シルエットを変えずにサイズを小さくするには、この方法がよいかなと思います。細糸で編むと繊細な仕上がりになるので、それもまたかわいいですよ。
サンプルで編んだピンク色の巾着は、中細糸を使用したところ、手のひらに乗るサイズになりました。
みなさんの作品
まろたんさんの「巾着ポーチ」
ころんと可愛らしい巾着、初心者でもわかりやすい解説で楽しく編めました。同じ編み方でも生糸で雰囲気が変わって、つい楽しくて続け様に編んでしまいました。素敵なレシピ、ありがとうございます。
まろたんさんの「巾着ポーチ」
2回目の投稿となります。楽しくて止まりません(笑)ダイソーのリサイクルヤーン、1玉で2つの巾着ができました。お菓子などを入れて、ちょっとしたお礼に人に渡すと喜ばれます。素敵なレシピ、感謝しています。